「うちの子、外遊びが足りていないかも」「習い事は何歳から始めればいいの?」——未就学児から低学年のお子さんを育てていると、一度は頭をよぎる悩みだと思います。相模原で体操教室を準備している私たちのもとにも、同じような相談がよく届きます。この記事では、文部科学省が示している幼児期運動指針の「毎日60分」という目安を入口に、幼児期の運動で本当に大切なことを、できるだけやさしい言葉で整理してみます。

幼児期運動指針の「毎日60分」とは何か

文部科学省がまとめた「幼児期運動指針」では、幼児期の子どもについて、毎日合計60分以上は楽しく体を動かすことがすすめられています。数字だけを見ると、けっこうな時間に感じるかもしれません。60分もどこで運動させればいいのか、と身構えてしまう保護者の方もいるでしょう。

ただ、この60分は「まとめて1時間、運動させなさい」という意味ではないとされています。あくまで一日の中で体を動かしている時間の合計です。園庭で走り回った時間、公園で遊具にぶら下がった時間、家の中でごっこ遊びをしながら動いていた時間。そうした細切れの積み重ねが合わさって60分になれば十分、という考え方です。

つまり「毎日60分」は、保護者を追い詰めるための数字ではありません。特別なプログラムを毎日用意する必要はなく、日常の遊びの中で体を動かす機会をなるべく削らないようにしよう、という目安として受け取るのが自然だと思います。

スキャモンの発育曲線から見た幼児期

幼児期の運動が話題になるとき、よく引き合いに出されるのが「スキャモンの発育曲線」です。これは、体の各器官が育っていくペースは一律ではなく、種類によってタイミングが違うという考え方をグラフにしたものです。

この考え方の中で、身長や体重といった体の大きさに関わる部分は思春期にかけてぐっと伸びていくのに対し、脳や神経のはたらきに関わる部分はずっと早い時期に立ち上がるとされています。一般には、5歳から6歳ごろまでに大人の8割程度に達するといわれることが多いようです。

ここで注意したいのは、これはあくまで発育の傾向を示すモデルであって、「この時期を逃したら手遅れ」という話ではないということです。運動の上達には、その後の練習や環境、本人の意欲など、いろいろな要素が関わります。ゴールデンエイジという言葉も、幼児期から小学生年代を指してよく使われますが、期限を切ってあおるための言葉ではないはずです。幼児期は体の動かし方を覚えやすい時期といわれている、くらいに受け止めておくのがちょうどいいでしょう。

大切なのは量より「動きの種類」

そのうえで私たちがお伝えしたいのは、時間の長さよりも、どれだけ違う種類の動きを経験しているかのほうが大切ではないか、ということです。

たとえば、毎日1時間走っている子がいたとします。走るのはとてもいい運動ですが、そこで使う動きはある程度決まっています。一方で、30分でも、走ってのぼって、ぶら下がって、転がって、という遊びをしていた子は、体の使い方をたくさん覚えていくことになります。同じ時間でも中身が違うわけです。

体操にそろっている4つの動き

体操という種目をおすすめしたい理由は、まさにここにあります。体操の基本的な動きには、日常ではなかなか出てこない要素が一通りそろっています。

  • まわる — 前転や後転など、体の向きが変わる感覚を知る
  • 支える — 腕で自分の体重を受け止める。倒立の準備にもなる
  • 跳ぶ — 踏み切って空中に浮き、着地でバランスを取り戻す
  • ぶら下がる — 鉄棒などで、手で体をつかまえておく

この4つは、公園や園での遊びだけでは偏りが出やすい部分でもあります。特に「支える」「まわる」は、意識して機会をつくらないと経験しないまま大きくなりがちです。逆さまでも怖がらない、手をついて体を支えられるといった感覚は、他のスポーツに進んだときの土台にもなります。

習い事は何歳から始めればいい?

「幼児 運動 何歳から」と検索して、明確な正解を探している方も多いと思います。正直に申し上げると、何歳からでなければならない、という決まった答えはないと私たちは考えています。

目安になるのは年齢よりも、お子さんの様子です。指導者の話をなんとなく聞ける、順番を待てる、体を動かすのが楽しいと思えている。このあたりがそろっていれば、年少さんでも十分に楽しめます。逆に、まだ集団での活動が苦手なら、無理に急ぐ必要はありません。嫌な記憶とセットになってしまうほうが、よほどもったいないからです。

周りが始めたから、という理由で焦る必要もありません。まずは体験に一度足を運んでみて、お子さんの表情がどうだったかを見てから決める。それで十分だと思います。

相模原で体操を体験してみませんか

私たちNPO法人スエニョデポルテス/ヴェルディ相模原は、2027年4月の開講に向けて体操教室を準備しています。指導するのは野本佳輝コーチです。体操の指導歴は14年、高等学校教諭一種免許状(保健体育)を持ち、元ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアクロバットパフォーマーという経歴もあります。テレビ番組『世界の果てまでイッテQ!』でアクロバット指導を担当したほか、東京・埼玉・神奈川の9つの園で正課体育の指導にあたっています。

まわる、支える、跳ぶ、ぶら下がる。この4つをバランスよく扱えることが、体操という運動が幼児期の体づくりに向いている理由です。開講の準備が整いましたら、あらためてご案内します。

体操教室そのものについてはこちら: 体操教室のご案内